【大紀元日本6月14日】中国当局はこのほど、「基準に違反してコチニール色素を使用」との理由で、ベルギーからの輸入チョコレート16品目の廃棄処分を発表した。
国内メディアの報道によれば、問題のチョコレートは今年4月に輸入したもの。メーカーはBelfine BVBA社、輸入業者は逸駿(上海)商貿有限公司。コチニール色素を使用していけないのか、それとも使用量が基準を超えたのか、それに関する当局の説明がない。
コチニール色素は天然着色料であり、常用されている食品添加成分。米国食品医薬品局(FDA)は食品への使用を規制していない。中国の「食品添加剤使用衛生標準」も、同色素のチョコレートへの添加を許可している。中国政府系メディアもこれらのことに触れ、中央人民ラジオ局のウェブ版「中広網」の関連報道は、専門家の意見を引用して、「コチニール色素はむしろ世界で最も安全な食品着色料だ」と報じた。
日本ではコチニール色素は食品衛生法の定めで他の添加物と同様の表示義務が課せられている。
ベルギー産チョコレートが中国で問題になったのは初めてではない。
2008年、中国で乳児用粉ミルクの有毒物質メラミン混入事件が発生した当時、中国産きな粉からメラミンを検出したとして、欧州連合(EU)は中国産豆類乳幼児食品の輸入を禁止した。また、当時のルテルム・ベルギー首相は来訪のチベット亡命政府の最高指導者ダライ・ラマ14世と会談したことも、中国当局の怒りを誘った。その時期において、ベルギー産チョコレートは今回同様、中国で廃棄処分となった。
ここ最近では、EUが中国製太陽光発電パネルへの不当廉売関税(ダンピング防止税) を暫定適用したばかり。今回のベルギー産チョコレート廃棄処分について、中国当局による仕返しであるとの見方が大勢だ。