【大紀元日本6月25日】湖北省武漢市のバス会社は路線バスに搭載されている緊急脱出用ハンマーが相次ぎ盗難に遭っていることを受け、ハンマーに警報機を取り付けるなどの対策に乗り出した。24日に南方都市報が伝えた。
ハンマーはバスに火災などの事故が起きる際、窓ガラスを割って逃げるために使用される救命道具。一台のバスに3本のハンマーが備わっていなければ、走行禁止と規定されている。しかし、走行するたびにハンマーが無くなるという。バス会社によると、1ヶ月で市内のバスから5000本のハンマーが盗まれているという。
両端が尖っているなど特殊な形をしているため、日常生活にはほとんど用途がない。昨年の夏、北京市が暴雨に見舞われ、水没した車から脱出できず、死亡者が出た事件が発端で、ハンマーへの関心が高まっている。
これまで、バス会社はハンマーの代替品としてレンガを使用していたが、レンガの盗難も頻発していた。ほかにもハンマーに透明のカバーを付けたり、持ち手に伸縮性のある紐を結んだりするなど様々な対策を講じたが、効果はなかったという。
警報機付きのハンマーを外すと、警報音が鳴る仕組みになっている。取り付けて一週間、盗難の報告はされていないという。中にはこっそり持ち帰ろうとハンマーを外して警報音がなったため、他の乗客から阻止された事例があった。現段階では盗難防止効果があるとして、バス会社は今後、警報機付きのハンマーを標準装備として市内のすべての路線バスに取り付ける方針だ。
(翻訳編集・高遠)