【大紀元日本6月25日】米国に渡った中国の盲目人権活動家・陳光誠氏は23日、人権団体の招待で台湾を訪れた。2週間滞在する予定。台湾野党民進党の主要幹部らとの会談や、大学での講演が予定されている。
陳光誠氏を招いた人権団体「台湾関懐中国人権聯盟」の声明文は、中国同胞の自由と人権を促進するため、今回の訪問を企画したとしている。
陳光誠氏は、昨年自宅軟禁中に支援者の助けで脱出成功し、中国の米国大使館に逃げ込んだ。それにより米中両国の外交関係が一時冷え込んでいた。
米国に渡った後、同氏はニューヨーク大学に訪問学者として迎えられ、同大学の研究所で勉強しながら、本の執筆にも専念している。
最近、同氏は声明文を発表。その中で、近いうちにニューヨーク大学を離れることを明らかにした。理由について、「中国当局から大学側への圧力があった」と説明した。
一方、ニューヨーク大学は即座に、「事実と相違している」と中国当局の圧力の存在を強く否定した。
そのことについて、フランスのセルジー・ポントワーズ大学の中国人政治学者・張倫氏はBBC中国語版の取材に対して、「現時点でことの真相を判断するのは難しい」としながらも、「中国当局が圧力を講じるのは、想定内のことだ」と述べた。
台湾の馬英九現政権は親中政策をとっているため、BBC中国語版は「今回の陳光誠氏の台湾訪問は馬英九政権にとって試練になる」と綴った。
台湾総統府の発表では、馬英九総統と陳光誠氏の会談は予定されていない。
招聘側の人権団体によれば、陳光誠氏は記者会見のほか、(台湾の国家最高立法機関)立法院での演説や、複数の大学での講演を行う。
また、呂秀蓮・前副総統などの野党民進党の主要幹部らと会談する予定。立法院のトップ王金平院長は陳光誠氏と接見する予定だったが取り止めとなった。
台湾メディアは諜報当局からの情報として、中国当局の支持者たちは陳光誠氏の訪問活動を妨害するほか、同氏に危害を加える可能性もある、と報じた。
一方、台湾内政部のトップ李鴻源・部長はメディアの取材に対して、陳光誠氏の安全を守るために適切な保護を行うと述べた。