【大紀元日本7月18日】湖南省の直訴者・唐慧(女性)さんが、同省政府機関「永州市労働教養委員会」を相手に訴訟を起こした案件で、同省高級人民法院は15日、唐さん勝訴の判決を下し、被告側に慰謝料などの支払いを命じた。一方、被告側に対して、書面による陳謝を求める唐さんの訴えは退けられた。中国では高い関心が寄せられている同判決に、ネットユーザーらは、「喜べない勝訴」などと落胆している。
今回の判決は、被告の労働教養委員会に対して、「人身自由侵害の賠償金」として1641元(約2.6万円)、「精神的損害の慰謝料」として1000元(約1.6万円)を、原告の唐さんに支払うことを命じた。唐さんの要求通りの金額だが、ネット上では「金額が低すぎる」「幹部のタバコ代にも及ばない」「勝訴したが金銭の面では負けている」などの意見が相次いだ。
事件の経緯
唐さんの娘は2006年、11歳のときに集団レイプされた上、犯人グループから100回以上の売春を強要された。後に逮捕された犯人らは、2人が死刑、4人が無期懲役、1人が15年の懲役刑に処された。
唐さんは、量刑は軽すぎるとして当局への陳情を繰り返してきた。2012年8月、永州市労働教養委員会は、「社会秩序をかく乱」との理由で、1年半の労働教養を唐さんに言い渡した。この決定により、唐さんは労働教養所に収監され、1年半の強制労働に従うことになった。
中国国内では、当初からこの事件が注目されており、強制労働の決定に対して、国民の批判が殺到した。そのため、刑執行1週間後には、判決が撤回された。
労働教養所を出所した唐さんは弁護士を通して、永州市労働教養委員会を相手に、損害賠償と陳謝を求める訴訟を起こした。
今回の判決で、唐さんの勝訴は確定したものの、被告側の書面による陳謝を求める訴えは裁判所に却下された。このことに批判が集中した。
「1641元+1000元+陳謝なし=勝訴。このような勝訴は寂し過ぎるのではないか。わずかな心の慰めにしかならず、勝利と言えるものではない」とユーザー・老徐時評は書き込んだ。