【大紀元日本7月19日】四川省成都市では16日、欠陥住宅である新築アパートに入居する予定の市民らが大規模な抗議を展開した。
問題の住宅は完成間近の団地「嘉業花園」。中国では道路やその他の公共施設の建設のために、立ち退きの対象となった住民に政府が住宅を提供する、その住居は名づけて「安置房」と呼ばれる。「嘉業花園」もそのひとつである。
米政府系放送局ラジオ・フリー・アジア(RFA)の取材報道によると、最近の大雨で、その建物の基礎の沈下や、壁のひび割れ、浸水など重大な欠陥が相次ぎ発覚した。「すでに危険な住宅だ」と入居予定者の1人は怒りが収まらない様子だ。入居予定者たちは現地当局に問題の解決を訴え出たが、取り合ってもらえなかったという。
16日昼頃、数百人の入居予定者は「ひび割れだらけ、壁はもろくて指先で削り落とせる」「品質を守れ、アパートを建て直せ」などの抗議文言を書いた横断幕を掲げて、同団地の前までデモ行進し、周辺の道路を封鎖するなどの抗議を行った。
参加者の話によると、当局の保安員と闇組織のメンバーが出動し、一行に暴力を振って退散させた。その結果、約7人の抗議参加者が負傷し、そのうちの1人は12歳の少女だという。
事態はいったん沈静化したが、当日夜になって抗議が再開され、多くの市民も加わった。目撃者は、「多いときは1万人はいたはず」とRFAに情報を寄せた。
その直後、現地当局は大量の警官隊を現場に派遣し、現地当局の主要幹部も現場に現れて、問題の解決を約束した。その後、抗議参加者たちが解散し、双方の衝突はなかったようだ。
(翻訳編集・叶子)