産科医が新生児を売買、「障害」と親をだます

2013/08/05 更新: 2013/08/05

【大紀元日本8月5日】中国メディアによると、陝西省渭南市富平県で新生児の人身売買に関わったとして産科医が逮捕されたという。4日、河南省で売り飛ばされた新生児とみられる乳児が保護され、現在DNA鑑定で身元を確認している。また、少なくとも7家族が同様な被害を受けたと訴えている。

報道によると、同県内の病院で7月16日に男の赤ちゃんが生まれたが、女性の医師は両親に「赤ちゃんは母体から伝染病を感染し、人と接触することも教育を受けることも不可能」と養育を放棄するよう迫った。さらに「遺体処理」の名目で両親に100元(約1600円)を要求した。

母親はその後、病院で伝染病に感染していないと診断され、医師の対応に疑問を持つようになった。再び医師に赤ちゃんの所在を問いただすと、「ゴミ箱に捨てた」「埋めた」と医師は話を二転三転させた。両親はその後、警察に通報した。

4日、河南省で乳児が保護され、人身売買に関わったとして、同医師を含む容疑者6人が身柄を拘束された。新生児は2万1600元(約35万円)で人身売買グループに売られ、さらに3万元(約48万)で転売されたという。

また、同県では6年前から、複数の家族が「先天的な病気や障害がある」として、生まれた直後の赤ちゃんを手放すよう勧められたという。いずれも同じ医師から話を持ちかけられ、「捨てなければ、一生の負担になる」と説得されていた。1日までに、県内に住む7家族は同じ被害を受けたとして警察当局に被害届を出した。

中国では障害者への偏見や差別が根強く残っており、精神的・経済的な不安から、障害児が親に捨てられるケースが多い。今回の事件はこうした親の心理につけいったものとみられる。

(翻訳編集・高遠)
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