【大紀元日本8月9日】中国での非正規品の電源アダプタの安全性問題に対応するため、米アップルはこのほど、iPhone、iPad、iPod用充電器を格安で正規品に交換することを発表した。中国市場で横行する模造品対策に迫らての対応となった。
中国では最近、非正規品のiPhone充電器による死傷事故が相次いでいる。
7月11日、中国南方航空の女性客室乗務員は充電中のiPhone5で通話していた際に、感電により死亡した。女性が使用した電源アダプタは非正規品だと報じられている。
北京市では7月8日にも、若い男性がiPhone4の電源アダプタを抜こうとしたところ、感電する事故が起きたばかり。男性は口から泡を吹き、一時心肺停止の状態となった。男性が使用した充電器は非正規品であることが判明している。
中国では正式な安全認証を受けていない携帯電話や電源アダプタが大量に市場に出回っている。純正品より格安であるため購入者は少なくない。中国消費者協会は今年5月、携帯電話の充電中に感電した事故を幾つか公表し、「非正規品の製品には重大な安全リスクがある」と警告した。
中国メーカーの品質問題を示すデータは今年3月にも発表されている。浙江省商工行政管理局の発表によると、今年3月、市場に出回る36種類の携帯電話を調べたところ、7割強を占める27の製品が不合格と判定。特にバッテリーに関して、20の製品が爆発、発火、液漏れの危険性があるという。「大手メーカーの製品も多数含まれている」と同管理局は問題の深刻さを指摘していた。
iPhone5の純正品のUSB電源アダプタの通常価格は約149元(約2400円)であるが、68元(約1100円)で新品の純正品と交換できる。今回の期間限定サービスは、市中に氾濫するアップル製品用の非正規品の充電器を減らす狙いだ。
一方、産経新聞の7月30日の関連報道は正規品のリスクについても触れている。「メーカーの『純正品』の充電器であっても、その部品ひとつひとつが模造品の可能性がある(中略)、消費者には模造品と正規品の見分けはさらにつかなくなる」という。