【大紀元日本9月18日】東京ビッグサイトで12日から15日まで、日本旅行業協会(JATA)主催のアジア最大級の旅の祭典「JATA旅博2013」が開催された。尖閣諸島(中国名、釣魚島)問題で2010年と12年では中国は欠席していたものの、今年は12の省・市・自治区と3つの旅行団体、合わせて43人の業界関係者が参加し、中国観光のPR活動を行った。
日本政府観光局が7月に発表したデータによると、2013年1~6月の訪日外国人旅行者数は、前年同期比22.8%増の495万4600人。調査対象国の中、唯一減少しているのは、尖閣諸島をめぐって関係が悪化した中国大陸で、前年比27.0%減少した。一方、同じ尖閣問題を抱える台湾と香港からは旅行者数が大幅に増加。台湾は49.4%増で、香港は43.1%増。フランスのRFIラジオは15日、「香港と台湾はなぜ、日本観光業の主役となったか?」と題する記事を掲載し、大陸と香港台湾の違いを分析した。
記事はまず、台湾・香港と日本との間は、成熟した経済・貿易関係が結ばれているため、政治的影響を受けることが少ないと指摘。尖閣諸島をめぐって、台湾でも激しい抗議活動があったが、経済交流や貿易の面では通常通りの活動が行われていた。
成熟した法治意識に基づいた信頼関係も、台湾・香港と日本との関係を維持したと記事。法治意識の働きで、台湾・香港で反日デモが行われても暴力事件に発展することがなかった。日本でも中国系住民や店舗が襲撃されることはない。この「安全に対する相互信頼」は一方で脆弱なものであり、片方の暴走で簡単に崩れることになるという。
記事はさらに、台湾と香港は、健全で多元的な情報により、極端な民族主義が避けられていると分析。メディアの報道はひとつの特殊な側面しか反映しておらず、等身大の相手国を理解するには「長期間の全般にわたる認識」が必要。「犬が人間に噛み付いた」はニュースにならないが、「人間が犬に噛み付いた」はニュースになる。「だからといって、『人間が犬に噛み付いた』ことで物事を認識すると、大きく偏ることになる」
旅行はこのような「全般にわたる認識」に左右される反面、その認識をつくり上げるために非常に有効であることを記事は強調した。