【大紀元日本9月24日】当局を批判する書き込みが500回以上の転載があったとして、逮捕された甘粛省天水市張家川県在住の中学2年の少年(16)が23日に釈放された。今月9日、最高人民法院(最高裁)は「インターネットでうわさを投稿し、500回以上の転載または閲覧数が5000回を超えた場合、最高3年の禁固刑を受ける可能性がある」と発表し、少年は初の逮捕者となった。ネット利用者は少年の救出のため、事件の調査を主導した地元公安局長の贈賄容疑を突き止め、失脚させた。
今月12日、同県内のカラオケ店の経営者が遺体で発見された事件があり、同市警察当局は飛び降り自殺と事件性を否定したが、この結論に異議を持つ遺族と住民は14日に警官と衝突を起こした。衝突現場に30分ほどいた少年は「社会はこんなにも真っ黒なのか」、「遺族が警官に殴られた」、「写真を撮影した住民が連行された」と当局の対応を批判する書き込みと現場の写真を自身のミニブログに投稿した。
書き込みの信憑性について、少年は「現場で目撃した事実」と「その場にいた人から聞いた話」に基づいて書いたと話し、「多少の誇張があっても、大きな間違いはない」と事実であることを主張した。遺族も警官と小競り合いがあったと証言した。
書き込みは投稿されてから、500回以上転載された。17日に少年は「虚偽の書き込みをした」として逮捕された。少年は未成年のうえ、書き込みが重大な社会混乱を引き起こしていないとして、40人の弁護士がインターネットで少年の釈放を呼びかけた。
ネット利用者も少年救出のため、当局関係者の「弱み探し」に動き出した。その結果、逮捕を主導した県公安局長は贈賄で局長の座についたとの疑いが浮上した。さらに、県党委書記は78人の幹部の昇格をめぐり、収賄の可能性も出てきた。この結果を受け、事態は急転。22日の深夜、少年への立件は取り下げられ、処分は7日間の行政拘留に変更された。未成年かつ初犯のため、少年は翌日に釈放された。
一方、当局は公安局長の免職と党委書記の調査を発表したが、少年の逮捕事件とは無関係としている。
今月初めに発表された最高裁の規定は、ネット利用者から「ネット言論への弾圧」と批判されている。今回の事件に利用者は「明日は我が身」と強い危機感を表している。