【大紀元日本9月25日】収賄、職権乱用などの罪に問われた元重慶市党委書記・薄煕来被告に22日、無期懲役、政治権利の終身剥奪、財産没収の判決が言い渡された。翌23日、フランスのRFIラジオは、薄被告のすべての犯罪内容が公開されれば、4、5回の死刑でも成り立つ、と香港科技大学社会学部の丁学良教授の話として伝えた。
丁教授はRFIの取材で、公開されている起訴内容で無期懲役の判決は重いとの見方を示した。過去の判例から、すべての起訴内容が成立するとしても15年の懲役が妥当であり、法廷での否認を加味しても「16~18年になるだろう」と予想していたという。
だが、「裁判の中で扱わなかった証拠を公開すれば、中国の法律では、4、5回の死刑に当たる」と断言。重慶市での多数の冤罪、政変計画、法輪功学習者への拷問罪は、闇に葬られた罪状であると教授は指摘した。
「冤罪で拘束された人は数千人に上る」。丁教授は薄被告が重慶市で進めた暴力団を一掃する「打黒」運動をこのように批判し、「重刑を負わされた人や、家族離散や行方不明に追いやられた人、死刑や執行猶予付き死刑にされた人、さらに、東北地方にいた時の所為なども考慮したら、何回でも死刑判決が下せる」とした。
「彼にもっとも好意的な人からでも、善良や寛容、理解があるなどの評判を聞いたことはない」「彼の気分をどこかで害してしまったら、彼にとってもっとも厳しいやり方でやり返されると聞いている」と教授は続けた。
また、丁教授は薄被告が他のメンバーと共謀して政変を計画していたと指摘。「共産党という政治体制の中で、政変計画も死刑に当たる罪だ」
米国の軍事情報サイト「ワシントン・フリー・ビーコン」は2012年の王立軍・重慶市元公安局長の亡命騒ぎの後、米政府関係者からの情報として、王は米領事館に、薄被告とそのバックにいる周永康氏による政変計画を暴露し、その証拠資料を渡したと報じていた。
最後に丁教授は薄被告が主導した法輪功学習者への酷刑にも触れた。「彼は省長級以上の幹部で初めて海外で法輪功学習者によって起訴された人物だ」と指摘した。
薄被告が大連市と遼寧省トップを務めていた2000年前後、江沢民元国家主席の法輪功弾圧政策の先兵として、大連市と遼寧省を弾圧の拠点に仕立てた。世界範囲で徐々に明るみに出ている法輪功学習者への臓器狩りも、薄容疑者は主謀の一人とされている。