1日からの大型連休をまえに、中国国家観光局は、「マナーの良い観光客」の行動ガイドラインとして、64ページにおよぶ「文明旅行行為指南」を発表し、イラスト付きの説明を加えた。しかし、その効果は疑問視されている。
この指南書は「旅の常識」として30項目を盛り込んでおり「ゴミをポイ捨てしない、痰を吐き散らかさない、随所でトイレをしない、公衆便所をきれいに使用」のほか、失礼な行動として「人前で鼻や歯をほじくる」「人に向けてくしゃみをする」などと挙げ「飛行機内の毛布、救命胴衣、使い捨てではない食器を持ち帰らない」などの一般常識を並べた。
発表直後の連休では、中国国内メディアは「マナーの良くない」観光客の様子を相次ぎ伝えた。
「今日早報」の報道によれば、2日、杭州市の観光名所・西湖エリアでは、街の清掃員約300人が一日で40トンのゴミを集めた。天安門広場でも1日の国旗掲揚式の後、大量のゴミが散乱していた。
近年、海外に出る中国人観光客が増えるにつれ、渡航先の国々はその購買力を喜ぶ一方、マナーの悪さにたびたび頭を抱えている。中国の汪洋副首相は今年5月、海外旅行で目立つ中国人の「非文明的行為」は「国民のイメージを損なった」と批判した。
ネット上では「マナーの悪さは教育の悪さ。今の粗悪な教育が続く限り、指南が何ページあっても無駄だ」「中国人の美徳はみな共産党の度重なる『運動』で壊された。いまさら『指南』だなんて」などとのコメントが寄せられている。
(翻訳編集・叶子)