安倍晋三首相が、アジア太平洋経済協力(APEC)首脳会議開催中に、中国の習近平国家主席と握手したとの報道について、中国外務省の華春瑩副報道局長は8日の会見で「このような報道がくだらないと思わないのか」と不快感を示した。
華氏はさらに「中国政府代表からの情報を見れば分かるように、中国にはこのような報道はない。これは何を意味するのか」と続けた。「日本側が誠意を示すことが肝心だ。実際の行動で問題にきちんと対処するべきだ」と従来の姿勢を強調した。
「実質的な努力をしないで、このような情報で騒ぎ立てるのは意味があると思うのか?」「指導者として、どうすれば本当に両国の関係を改善できるかは分かるはずだ。木に登って魚を探したり(中国のことわざ。方法が誤ると事は成就しない)、本末転倒になったりしないように」と日本側の姿勢を非難した。
中国政府の苛立ちは、今回の握手が中国国内で「譲歩」と受け取られかねないからだ。華氏の発言は、これまでの中国政府の主張を繰り返すことで、そのような懸念を払拭する狙いがあるとみられる。
なお、握手について「中国では報道されていない」としながらも、握手の有無については、華氏は明言を避けた。
(翻訳編集・張凛音)