【大紀元日本10月10日】7日に中国東部に上陸した台風23号の影響で記録的な豪雨に見舞われた浙江省。9日までに省内全域で874万人が被災し、18の県が水没するなど甚大な被害が出ている。特に被害が深刻な余姚市では、同日午前10時の時点での総雨量は499•99ミリを記録。市内の70%が水没し、交通機関は完全にマヒしているほか、一部の地区では停電や断水の被害もが出ている。一方、救援物資が届かず、2日間も食事を取れなかった市民から現地政府の対応の遅さを非難する声が上がっている。
現地を取材した国営新華社通信によると、地元政府が8日朝6時から携帯電話会社を通じて、市内のすべての携帯電話に避難指示のショートメールを発信した。しかし、市民は「(発信時)とっくに水没していた」と情報提供が遅れたことを指摘した。さらに、大雨で電波が悪く、一部の市民にはメールが届いていない。
救援物資の配分にも問題があった。被災者が集中する避難場所では食品などが配られていたが、周辺に避難所が設置されていない市民には届いていない。「どこで配っているのか分からない」と市民は言う。ある出稼ぎ労働者は取材に対し、二日間食事しておらず、水もなくなったと話した。
一部の地区では、物資を届けにきたボランティアが配分をめぐって市民と衝突し、物資を奪われる事件が発生した。
市民の非難に地元政府は「毎年台風が来るが、今年はここまで被害が出るとは思っていなかった」と認識の甘さを認めた。また、溜まった水は12日には解消される見通しだという。
(翻訳編集・高遠)