【大紀元日本10月30日】世界で大ヒットとなった英国テレビドラマシリーズ「ダウントン・アビー」。製作した英国のテレビ局ITVは中国で石鹸や、口紅、ワインなどの「ダウントン・アビー」商標のシリーズ商品の発売を計画している。しかし、複数の中国の企業がすでにその商標権を取得したことが判明した。
同ドラマは、第一次世界大戦時、英国貴族の大邸宅「ダウントン・アビー」で繰り広げられる貴族と使用人達の人間模様を描き、エミー賞とゴールデン・グローブ賞で作品賞をダブル受賞し、世界中で人気を得た。
英BBC放送によると、中国国家商標総局の発表では、複数の中国企業がすでに「ダウントン・アビー」の商標権を正式に登録した。
山東省在住の企業経営者はワインと酒のビンにダウントン・アビーの商標の使用を中国当局から許可された。
深セン市のある企業は、小売、飲食及びホテルなどの業界での同商標権を登録した。
そのほかの複数の中国企業は、宝石ジュエリーなどの商品の同商標権を手に入れた。
ITVは現時点において、この中国での商標権問題に関する公式コメントを出していない。
「ダウントン・アビー」ワインはすでに英国で発売されており、ITVは近いうちに、北米や、欧州、豪州でも「ダウントン・アビー」ワインなどのシリーズ商品を打ち出す予定。
中国の商標登録は「早いもの勝ち」であるため、「人の褌で相撲を取る」で一攫千金を狙う企業は非常に多い。
記憶に新しいのは、米アップルの被害事例だ。iPadの商標権は中国企業に取られたため、同社は2012年中国で商標権を求める訴訟を起こしたが敗訴し、後に同商標権を主張する中国企業「唯冠科技」に6千万ドルを支払って、iPadの中国発売がやっと許可された。
英紙テレグラフの電子版は27日付の報道で、「このような中国企業が公然と商標権を侵害する例は、英中両国間のビジネス提携の強化を取り組んでいるオズボーン財務相と英国政府への顔面パンチだ」と評した。