【大紀元日本11月9日】10月28日天安門広場で起きた車突入・炎上事件を「テロ襲撃」と断定した中国当局。事件現場で死亡したウスマン・ハサン(33)容疑者はウイグル人で、新疆ウイグル自治区クズルス・キルギス自治州アクト県の出身。村の前村長は米政府系放送局ラジオ・フリー・アジア(RFA)の取材に応じ、一年前の同じ日にハサン容疑者が出資した建設中のモスクが当局に取り壊され、彼がその場で報復を誓った経緯を明かした。
ハムット・ターディ前村長によると、ハサン容疑者は当初から村民たちと20万元(約320万円)を寄付して、モスクの建設を計画した。2011年に当局からの建設許可も下りたが、昨年広場と塀が完成した頃、当局は不法な宗教施設という理由で、百人以上の警察隊を投入して全部取り壊した。その現場で、ハサン容疑者は「今日は私たちが負けた。彼らは銃を持っているのに私たちには何の武器もないからだ。しかし心配することはない。必ず事を起こしてやる」と悔やむ村民たちを慰めた。
一方、中国当局は事件直後から「テロ襲撃」と断定。東トルキスタン・イスラム運動が指示したと主張し、摘発の強化を明言した。共犯として5人のウイグル人の逮捕も発表し、新華社は30日「容疑者らは今回の計画的テロを自供しており、潜伏先からその証拠品も押収した」と報じた。
それを受けて世界ウイグル会議のラビア・カーディル代表は声明文で、中国政府が事件を理由に事を捏造して、ウイグル族への弾圧をいっそう強化することを懸念した。
中国国内のインターネットでは「母親と妻を連れて自殺したのには、絶対に伏せられている裏がある」とのユーザーの声も少なくない。
(翻訳編集・叶子)