【大紀元日本12月4日】中国共産党の機関紙・人民日報傘下の環球時報は公式ミニ・ブログでの転載評論文で、習近平国家主席をイラクの故フセイン大統領と、リビアの独裁指導者カダフィ大佐と並べて論じた。ネットユーザーの間では、熱い議論が交わされている。
「祖国がなければ、あなたは何者でもない」と題する同評論は、「フセインは死んだが、大量破壊兵器はやはり発見されることはなかった。その一方でいまでは爆発、襲撃、宗教衝突が絶えない。カダフィも死んだが、リビア人民は幸せを手に入れたか。国中が廃墟と化し、再建の見込みもない」と独裁権力の代表人物である2人を擁護した。
その続きで、話題は中国に向けられた。「我々は習近平主席を擁護しなければならない。第二のリビアになりたくないからだ」として、「共産党の指導」を支持するよう檄を飛ばした。
この論調に対して、中国のネットユーザーは沸いた。
「これは高度な隠喩か?どなたがフセインとカダフィと並べて論じられているのか?」
「習主席に泥を塗り、現政権を馬鹿にしている」
「一見、政権の味方のようだが、実際には共産党の揚げ足をとっている」
環球時報は以前にも、社説で「一定範囲の幹部汚職を容認すべき」と論じたことがある。政府系メディアとして、指導部の見方のようで、困らせるような論調を繰り返す理由について、意見は分かれている。
「無能なメディア人の集まりだから」「無理に共産党政権を正当化しようとするから、訳のわからないことを言ってしまう」「中国共産党の意識形態は危機に瀕している兆候だ」との見方がある一方、「同紙を支配するのは、無期懲役刑に服している薄煕来の残党だ」「仕掛けられた習近平主席への逆襲」との故意説も流れる。
米国の海外向け放送ボイス・オブ・アメリカ(VOA)は、「環球時報は大勢の中国人が言いたくても言えない本音を代弁した」と皮肉った。