【大紀元日本2月24日】米ホワイトハウスは21日、オバマ大統領が同日、訪米中のチベット仏教最高指導者ダライ・ラマ14世と会談したとの声明を発表した。「深刻な内政干渉」として中国政府は会談の中止を要求していたが、米国は人権重視の姿勢を貫いた。中国外務省は22日、米国へ抗議声明を発表している。
ホワイトハウスの声明によると、オバマ大統領は会談でチベットの宗教、文化、言語の伝統保持に加え、チベット人の人権保護も支持する意向をダライ・ラマ14世に伝えたという。これは中国に対し、同自治区などで住民への非人道的行為や人権侵害が続いていることに警告を発したことを意味する。
オバマ大統領は同時に、双方の対立を解消させる対話の実現を促した。そしてチベットを中国の一部であり、チベットの独立を支持しないという米国の立場を改めて示した。これに対しダライ・ラマ14世は独立を求めてはおらず、チベットの代表と中国当局者の対話が再開されることを期待しているとの考えを示した。
会談は大統領執務室ではなく、私的会合用の部屋で約1時間15分行われた。報道陣には公開されず、ダライ・ラマ14世は出入りの際もメディアの前に姿を見せなかった。
中国外務省の秦剛報道局長は22日、両者の対談に関する談話を発表し、ダライ・ラマ14世について「単なる宗教家ではない、中国の分裂活動を続けている政治亡命者」と強い語調で非難した。
中国外務省の張次官は22日、米大使館のクリテンブリンク臨時代理大使を呼び「中国政府と人民の信頼を取り戻すために、米国は明確な措置をとる必要がある」と抗議した。
米中は現在、3月にオランダのハーグで開かれる核安全保障サミットにて、オバマ大統領と習近平国家主席の会談を調整中と見られていたが、ダライ・ラマ14世との会談が、両代表の対話機会の不成立に繋がる可能性もある。