【大紀元日本2月28日】中国国産小型ジェット機・新舟60(MA-60)の航空事故が後を絶たない。天津から瀋陽行きの奥凱航空の同型機は25日、降着装置(ランディングギア)の故障のため、瀋陽桃仙空港の上空で3時間旋回飛行した後に着陸した。国内外で同型機の事故が続発しており、多数の死傷者を出していたことから、中国製造の品質が再び問われている。
同機は航行中の午後4時ごろ、計器に降着装置の異常が表示され、着陸できず、目的地の桃仙空港の上空で旋回を繰り返していた。その後、空港上空を低空飛行し、地上から降着装置が正常に作動していることが確認されたため、午後8時17分に無事着陸に成功した。乗客乗員38人にけがはないという。
新舟60の製造元は西安飛機工業公司。2000年3月21日に初飛行し、8月に中国国内航空会社で正式就航した。また、中国政府による発展途上国での販促を狙った無償供与も多く行われた。2013年4月現在、MA系列機は中国及び16カ国・地域の約260路線で82機が就航しているという。 しかし設計及び生産レベルの低さに起因する事故や運航トラブルが多く、国際的な安全基準に達していない可能性が指摘されている。
国内では2月4日に同型機の事故が起きたばかり。当時、河南省鄭州市の空港に着陸時、滑走中に降着装置が収納され、胴体着陸の事故を起こしたが、乗客乗員は全員無事だった。
これまでに国外で8回の事故を起こし、計27人の死者、29人の負傷者を出した。中国メディアによると、国内では2002年から、計4回の事故が公表された。しかし、死傷者はいないという。
もっとも被害が大きかったのは、2011年5月インドネシアでの事故。当時、同国メルパチ・ヌサンタラ航空の同型旅客機がカイマナ空港に着陸時、滑走路手前の海中に墜落し、乗客乗員27人全員が死亡した。
また2013年6月10日、インドネシアの国営航空会社ムルパティ・ヌサンタラ航空の同型機が、同国のエル・タリ空港に緊急着陸した。機体が二つに折れ、前輪も折れて脱落したが、幸い乗客乗員51人に死者はいなかった。
今回の事故発生直後、西安飛機工業公司は事故原因について、「計器の故障による誤報」と主張し、新舟60の一時飛行停止を申請した。国家民航局は「計器でランディングギアの故障が表示されたため、機長は慎重を図って着陸を見送っただけ」とし、低空の緊急着陸ではないことを強調した。
一方、ネットではユーザーから「国産は応援したいけど…」「中国製なんてどれもこんなもんだ」、「中国の技術力はまだまだ低い」など落胆のコメントが寄せられた。
先進国の航空会社で同型機は運航されたことはない。