【大紀元日本3月7日】大紀元がこのほど入手した情報によると、1日昆明で起きた無差別殺傷事件も、先月末香港紙・明報の前編集長が襲われる事件も、江沢民一派が勢力下にあった武装警察を使い仕掛けたものだという。派閥重鎮の周永康氏の陥落が決定的となった今、江一派は各地で混乱を起こし、新たな政変を企んでいる。
指導部の内情に詳しい消息筋によると、昆明で起きた殺傷事件の犯人は、報道されている「新疆ウイグル分裂勢力」ではなく、江一派の手先の武装警察だという。また事件は昆明のみならず、5つの都市で同時に起こさせる計画だった。
事前に報酬を渡された「実行犯グループ」の警察らは、犯行が始まって15分後に逃走を助ける人が到着すると伝えられていた。しかし来たのは助っ人ではなく、現地警察であり、4人はその場で射殺された。16歳の女が逮捕されたのも、事件は「新疆ウイグル分裂勢力」によるものにより真実味を持たせるためだと同筋は明かした。
中央指導部も昆明の殺傷事件は江沢民一派によるものだと把握しており、同様の事件が予定されていた他の4都市では、関係メンバーは中央指導部により拘束されたという。
事件にかかわった武装警察グループは農村出身で、報酬や事件後の昇進が約束されていた。これまでも、このような「自作自演」に参加し、逃走も成功させたことから、今回も大胆な行動に出ていたという。
さらに先月末、香港で起きた有力紙「明報」の劉進図・前編集長が襲われた事件も、同様に武装警察によるものだと同筋は話す。香港当局は事件後、犯人はすでに内陸に「逃げ戻った」と発表し、内陸から来た者による犯行だと認めた。
江一派は、昆明の殺傷事件で「新疆ウイグル分裂勢力の暴挙」にでっちあげることで、国内外の世論を政権の民族政策の失敗に向かわせた。一方、香港の襲撃事件では、香港の言論自由に視線を集め、香港市民や内外メディアの怒りの矛先を北京に向けた。周永康氏への処分が間もなく発表されるとの見方が強まるなか、江一派は死力を尽くし、習陣営に襲いかかった構図となる。
逆襲はこうした暴力事件のほか、メディアに習氏に不利な情報を流すこともその一環だ。国際的なジャーナリスト組織ICIJは1月、習氏を含む中国指導部の親族らが、海外の租税回避地に隠し財産を保有していることを報じた。だがICIJのリストに、不正蓄財で知られる江一派の名がないことから、調査元となったデータは江一派が故意に流したものではないかとの疑いが上がっている。5日には、香港の人権団体が習一族による汚職を全人代に対し調査するよう訴えたことが明らかになったが、両陣営のせめぎ合いが白熱化するこの時期の訴えは、江一派が仕掛けたものとの見方が出ている。
江一派はかつて、周永康氏や薄煕来受刑者を中心とし、次期指導者とされた習氏を転覆する政変をはかっていた。この情報は本紙や米情報サイト(ワシントン・フリー・ビーコン2012年2月14日付)などが伝えていた。この政変計画が瓦解し、窮地に陥った江一派はこのたび、暴力事件や情報戦で新たな政変を仕掛けている。習氏の失政や不正に見せかけ、最高指導者の座から引き下ろすことが最終目的であるが、周永康氏への処分に手を緩め、江沢民氏までメスを入れさせないようけん制する狙いもあるとみられる。