【大紀元日本3月27日】香港紙・明報は27日、汚職容疑で失脚した中国軍総後勤部の谷俊山・元副部長(中将)が死刑になる可能性が大きいと報じた。
谷氏自身は「軍史上最大」と言われる汚職容疑で取り調べを受けているほか、最近になって、強力な後ろ盾となる中央軍事委員会ナンバー2だった徐才厚・前副主席も調査されていることが明らかになった。後ろ盾を失った谷氏は、自身の容疑の悪質性から、裁判にかけられれば死刑判決が出る可能性が大きいと同紙はみている。
谷氏は2012年2月にすでに失脚しているが、その後の約2年間、調査の進展はほとんど報じられていない。香港英字紙サウスチャイナ・モーニング・ポストは最近、情報筋の話として、谷案件の停滞は徐氏の抵抗があったからだと報じた。
その徐氏が昨年12月、取り調べを受けていることが伝えられた。直後の今年1月、谷氏の実家で行われた家宅捜索の様子が中国国内メディアで詳しく報じられた。差し押さえられた物品はトラック4台分で、純金製の毛沢東像や金塊、数箱の軍部特別供給の茅台(マオタイ)酒などが含まれていたという。
総後勤部の実力者だった谷氏は兵站建設や装備調達などで絶大な利権を握っていた。これらの特権を利用して、谷氏は北京の中心部に数十の物件を所有し、軍用地を民間に払い下げする際に得た莫大な利益を着服していたともされている。
谷氏が徐氏に巨額の賄賂を送っていることも伝えられた。サウスチャイナ・モーニング・ポストによれば、徐氏の娘が結婚した際、谷氏は2000万元(約3億3000万円)の預金が入った銀行カードを祝い金としてプレゼントしたという。
今月に入って、徐氏が末期がんで入院していることが明らかになり、また20日には、病院から徐氏が連行され、妻や秘書と一緒に拘束されたことも香港メディアに報じられている。これで援護をなくした谷氏に今後、厳しい裁判が待ち受けていることが窺われる。