【大紀元日本5月1日】3月末から当局の強制撤去命令に信徒らが抗議を続けていた浙江省温州市の三江教会が29日、当局により強制的に取り壊された。
同日朝、1000人もの警察と数台の重機が取り壊し作業を始めた。事前通知を受けていた信徒たち数千人が直前まで「人の壁」を作り、賛美歌を謳うなどして抵抗したが、信徒たちの思いは虚しく、教会は一夜にして瓦礫の山となった。
中国国内報道によると、信徒の話では教会の代表者や牧師、数人の信徒が連行されたという。
国内キリスト教新聞「福音時報」によると、多くの信徒達は路上でむせび泣き、解体作業を見つめていたという。「ただ十字架だけが問題だというのに、なぜ全てを取り壊す必要があるのか」と悲痛な声を上げた。
三江教会は、1万平方メートルの敷地に3000万元(約4億9000万円)以上もの信徒たちによる寄付により建設され、昨年完成した。しかし当局は大きく掲げられた十字架について、「安全性に問題がある」と不法性を主張していた。
温州市は人口7000万人のうち15%がキリスト教会に通うとされる。中国では、政府に認められていない地下教会は常に取り締まりを受けているが、三江教会堂は当局公認の「三自教会」として建てられた。
浙江省では泰順、文城、瑞安にある教会も、強制撤去の通知を受けたと伝えられている。このたびの三江教会の取り壊しを契機に、キリスト教への取り締まりが一層強まるのではないかと見られている。
(翻訳編集・佐渡 道世)