【大紀元日本5月22日】中国財政部は21日、地方政府による債券の直接発行を一部の省と市で認めると発表した。これは地方政府の3兆ドルにのぼる債務問題を是正するためにとった措置とみられる。
中国紙・毎日経済新聞によると、直接発行が認められたのは北京市、上海市、深セン市、浙江省、江蘇省、山東省、広東省など10の省と市。モデル実施は7月から始まるという。
中国ではこれまで、地方政府による債券発行は原則禁止されている。しかし、各地の地方政府は実態の見えにくい「地方政府融資プラットフォーム会社」を通じて借入を行い、地方のインフラ投資などに充てていた。景気が減速する中で、債務不履行への懸念が高まっている。
また、2011年に一部の都市で直接起債が認められたが、債券の発行や償還手続きは財政部が代行していた。今回の新方針では、地方政府が自ら債券を発行し返済を行うことで、「自己責任」を負うことになる。
財政部によると、2014年に地方政府が発行できる債権はトータルで4000億元(約6兆5000億円)。その内訳は、4割は5年債、7年債と10年債はそれぞれ3割と決められている。
昨年12月、中国メディアは、中国の地方政府の債務は2012年末の時点で3兆ドルに達したと伝えた。大きく膨らんだ債務問題を解決する長期的な手立ては、透明化をはかり、活発な地方債券市場を築くことだと専門家は指摘していた。今回の措置はその第一歩とみられる。
(翻訳編集・張凛音)