【大紀元日本5月27日】中国メディアによると、河北省石家荘市の郊外で実物大の偽エジプト・スフィンクス像が建てられた。エジプト政府側は強烈な不満を示し、国際条約の違反として国際連合教育科学文化機関(ユネスコ)にクレームを出したという。
この高さ約20メートル、長さ約60メートルの模倣建築は、建設中の映画撮影村の一部として建てられたが、工事は完成していない。にもかかわらず、多くの観光客が訪れて記念写真を撮っている。
これを建設した中国企業は「映画の撮影用」と説明、撮影後撤去する方針を示した。
エジプト文化財部門は偽スフィンクスが、1972年のユネスコ総会で採択された「世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条約」(世界遺産条約)に違反したとして反発している。
さらに、エジプト側は模倣品が同国の観光やエンターテインメント産業の収入に影響を及ぼすほか、細部の模倣が粗雑すぎるため、観光客が古代エジプト遺産の本質を理解することを妨げると指摘した。
現在、偽のエジプト・スフィンクスだけでなく、中国各地で世界の模倣建築が後を絶たない。浙江省杭州の偽のパリ・エッフェル塔や浙江省紹興の偽のパリ凱旋門、蘇州市の偽のロンドンのタワーブリッジが知られている。安徽省阜陽市のある酒工場は偽のアメリカ合衆国議会議事堂を模した高級トイレを作った。