【大紀元日本6月22日】ウォール・ストリート・ジャーナル紙によると、中国で同一の金属商品を複数の外国銀行の抵当に入れ、融資を騙し取るという企業による詐欺事件が起きた。
中国政府はいま、この事件を調査している。
多重抵当の疑惑がもたれているのは、青島港に保管している金属商品。保有者は青島徳誠鉱業公司。その親会社「徳正資源有限公司」の代表取締役社長・陳基鴻はすでに当局に身柄を拘束された。陳はシンガポール国籍で、中駿資源有限公司(本社・香港)の理事でもある。
中国では大口商品を抵当に、融資を受けるのは合法。その種の融資の総額は数十億ドルに達し、中国の経済成長を後押しした。
同紙によると、今年4月から、中国当局はこの種の融資による金融機関へのリスクを懸念しはじめた。
今回の多重抵当による融資詐欺が事実であれば、中国政府は規制に乗り出す可能性が高い。専門家は、「銅や鉄の市場価格の急落を招きかねない。関連の金属が大量に売り出されるからだ」とみている。
銀行はすでに金属商品の抵当による融資を減らしているため、中国への輸入が減少し、市場に対する影響も指摘されている。
今回の事件に関して、融資元である複数の外国銀行の説明では、青島港に立ち入って問題の金属商品を評価することができないため、被害状況はまだ不明。
中国の財新メディアの18日の報道によると、中国銀行業監督管理委員会(銀監会)が同社への融資状況を調べた結果、子会社とあわせて融資残高は148億元(約2400億円)に達することがわかった。
(翻訳・叶子)