【大紀元日本6月23日】米コロンビア大学の訪問学者・呉学燦氏はこのほど、中国政府の工作員が国内外に潜伏する実態を明かした。
中国共産党の機関紙「人民日報」の元編集者だった呉氏は、自身も1972年に工作員として同社に入社したと告白。1989年の学生民主運動「六四天安門事件」で、弾圧を反対する趙紫陽元総書記の談話を人民日報に掲載したため、同氏は1993年までの4年間投獄され、釈放された後米国に渡った。
その証言の概要をまとめた。
国内外の民主・人権団体に浸透
記者や幹部としてスパイ活動を行うのはもっとも伝統的な手法だが、政府に反対する組織、民主・人権団体に潜伏させるのも非常に有効だ。そのため、一部の民主活動家、人権弁護士の本当の身分はスパイである。
中国国内外の民主運動が前進しない大きな理由はここにある。
海外の中国語メディアへの浸透
海外の中国人が運営する中国語メディアの大半は、中国政府から資金援助を受けており、その支配下に置かれている。メディアの潔さを保てるのは氷山の一角に過ぎず、その分、運営も非常に厳しい。
海外の大手メディアまたは外国政府傘下の中国語メディアも難を逃れない。通常のやり方は、中国政府のスパイが記者などで入社する。情報収集や、世論操作のほか、「重要な報道で上手に中国政府の声を代弁する」などの任務をも果たす。
そのターゲットには、英BBC放送の中国語サイト、フランスのRFIラジオ、米政府系放送局ラジオ・フリー・アジア(RFA)、ドイツ国際放送ドイチェ・ヴェレ、米国の海外向け放送ボイス・オブ・アメリカ(VOA)などの大手も含まれている。
(翻訳編集・叶子)