直訴者らが中央政府機関前で集団自殺 現在安否不明

2014/06/26 更新: 2014/06/26

【大紀元日本6月26日】党員の腐敗などを監督する中国共産党中央紀律検査委員会(中紀委)の門前で24日午前9時ごろ、5人の直訴者が農薬を飲み自殺を図った。全員病院に搬送されたが安否は不明。

大紀元時報の電話取材を受け、現場に居合わせた直訴者の男性は「自殺を図ったのは男性1人と女性4人だ」と語っている。そのうちのひとりは80歳の女性で、全員が江蘇省鎮江市在住の直訴者だ。農薬を飲み地面に倒れた当時、近くに2台のパトカーと警官数人が居合わせたが、見てみぬふりをして助けようとしなかった。市民の通報を受けて駆けつけた警官らは真っ先に、現場写真を撮った人々のカメラを押収しようとしたという。

自殺者の一人呉明鳳さんの夫は大紀元時報の電話取材に応じ、5人が自殺に至る経緯を話した。

呉さん一家が鎮江市内に所有していた床面積200平方メートルの住宅は、2007年に同市当局の強制取り壊しに遭った。夫婦は地方政府や中央機関に対して7年以上陳情を続けてきたが、どこも取り合ってくれなかったという。

もう一人の自殺者趙金蘭さんは鎮江市中心街にビルを所有してした。2009年7月、同市当局は「都市を改造する」との理由で趙さんに移転を命じたが、補償問題について双方は合意に至らなかった。趙さんの83歳の母親は市役所を訪れて話し合いをしようとしたが、暴行を受け重体となり、10カ月後に亡くなった。

80歳の自殺者李翠蘭さんは、同市で400平方メートルの旅館を経営していた。13年前の2001年4月、市当局は強制的に移転させるため、ガス、水道、電気の供給を中断したほか李さんを脅し続けた。また、約束していた補償金約100万元(約1640万円)も支給されなかったという。

情報提供者の一人、直訴者の姜家文さんは「我々の多くは10年も20年も陳情し続けてきたが、政府はまったく問題を解決してくれない。中国には法律なんかない」と無念の気持ちを語った。

呉明鳳さんの夫によると、北京市公安局は家族に電話で連絡し、5人を病院に搬送し救命治療を受けさせていると語ったが、病院の名前や5人の安否についての説明はなかったという。

(記者・万方、翻訳編集・叶子)
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