【大紀元日本8月12日】アフリカ中部のチャド共和国政府は9日、中国国営大手「中国石油・天然ガス集団公司(CNPC)」に交付していた国内油田の採掘許可を取り消し、環境汚染を理由に12億ドルの罰金を請求すると発表した。
同国石油省のBemadjiel長官は9日夜の記者会見で明らかにした。「環境悪化を避けるほか、他の石油会社に採掘の機会を与えるため」という。
同長官の話では、CNPCが運営している数十箇所の石油採掘現場周辺で、大量に排出された有害物質が環境を汚染している。同長官は「このやり方を断じて容認できない」とCNPCを批判した。
双方は昨年7月から、この汚染問題を解決するために話し合いを行ってきた。
チャド政府は、「数週間にわたって交渉してきたが、解決案はまとまらず、失敗に終わった」としている。
今年5月、チャド政府はCNPCに対し、同国内すべての油田採掘工事の一時中止を命じ、12億ドルの罰金を科したが、CNPCは支払いを拒否しているとみられる。
そのためチャド政府は、中国側との契約に基づき、CNPCを相手に国際商業会議所(本部・パリ) 付置の国際仲裁裁判所に、訴訟を起こす構えを示した。
チャド政府はCNPCの現地責任者に出国禁止令を出したという。
(翻訳編集・叶子)