【大紀元日本11月4日】中国国内メディアの10月30日の報道によると、数日前の早朝、湖南省長沙市で61歳の男性がジョギング中に心臓発作を起こして路上に倒れ、救助する者がおらず死亡した。
現場付近の防犯カメラの映像によると、男性が倒れてから33分の間に49人がその傍を素通りした。50人目の人が救急車を呼んだが、男性はすでに息絶えていた。
路上に倒れている人をだれも助けない。このような状況は中国国内では日常茶飯事で一種の社会現象となっている。人々の冷血さを嘆く声がある一方で、「助けたら、自分が加害者にされるかもしれない」と大勢の中国人は理解を示している。
2006年、南京市であるショッキングな出来事が起きた。
路上で転倒して骨折した高齢者の女性を病院に連れて行った男性が後に、女性とその家族から「ぶつけて転倒させた」として、高額な損害賠償を請求される事件が起きた。その後、男性は請求より少額の金を支払い、双方は「和解した」というが、全国で「見知らぬ他人を救助すべきか」という熱い議論を巻き起こした。
2011年10月13日夕方、広東省佛山市では、トラックに轢かれた2歳の女児が放置され、後に死亡した事件が発生した。重体の女児を病院に搬送したのは、19人目の通行人で廃品回収を生業とする年配の女性だった。当時、国内外のメディアがこのことを報じた。
なぜ、中国人はそこまで冷血になっているのか。大紀元時報米国本部のコラム二ストは次のように分析した。「長年、闘争論や絶対利己主義を軸とする中国共産党文化に浸ってきた国民の多くは拝金主義を何より重んじ、互いに信じない。そして、『仁・義・礼・智・信』などの伝統的な美徳を捨ててしまった。一連の出来事はまさに共産党統治がもたらした社会全体の道徳崩壊の現れである」
(翻訳編集・叶子)