【大紀元日本12月13日】ウクライナで成功した中国人男性が、国内のインターネットで嫉妬の的になっている。若く美しい妻、可愛い愛娘、自ら事業を成功させ広い土地に別荘も建設。外国で「夢の様な生活」を送るこの男性は、実は中国で劣等生だったという。一人っ子政策により男女比が乱れ、独身男性が多いという背景も相まって、この奇跡の逆転劇を妬む声は絶えない。
河北省出身の梅愛シさん(30)は、中国の大学入試センター試験・高考(ガオカオ)で、満点750のうち320点しか取れず、成績は不振。人生を変えるために、特に計画もなくウクライナ留学を決めた。
梅さんは裕福ではなく平凡な労働者階級の家庭に生まれた。ウクライナの大学の授業料は中国と大差なく、ビザ取得も比較的簡単だ。「アフリカの国の1つだと思っていた」というほど、同国については全く無知だった。
梅さんは1年の予備校生活を経て大学へ入学するも、自堕落な生活を続けた。授業をサボり、体育館で卓球をしていると、自然とウクライナ人の友人が出来、ロシア語が飛躍的に向上した。将来の妻となるダーシャさんとも、この時期に出会った。市の学生卓球選手権で3位に入賞したことで、知名度を上げ、ウクライナでの人脈も広がった。
ダーシャさんはまだ高校生だ。「妻は若いが、とても成熟している。学校の成績は優秀で、家では良い妻。家事も上手くこなしてくれる」と梅さんは述べる。ダーシャさんの支えと励ましで、梅さんは輸出入企業を立ち上げた。経営は軌道に乗り、最近では3000平方メートルの土地を買い、別荘を建てた。
「私は成功者だと一部の人は言うが、私の幸せは家族がいること。食事の時間に帰宅し、夕食を共にし、その後は家族で散歩する。これが最も幸せだと思う」
中国では幾万人が羨望の眼差し
当局の一人っ子政策が実施されて以後、労働力として男性を優位に見る中国では、男女比は極めていびつになった。30歳前後では、男性対女性の比率は1・2対1にも及ぶ。結婚適齢期を迎えた男性は「余剰分」として中国人女性と結婚できずにいる。中国社会科学院の調査では、2020年には結婚できない独身男性2400万人にも達するという。
こうした中国の背景も相まって、数万人ものインターネットユーザは梅さんのサクセス・ストーリーに興味を注いだ。ミニブログ・微博でのコメントは150万回を数える。多くの男性が「一刻も早くウクライナに行きたい」「今、私はもうウクライナ大使館前(ビザ取得のため)にいる」などと冗談を交わした。
「私は中国で絶望に伏している」「もう中国人でいたくない、ウクライナ人になりたい」「ウクライナの女の子はカネ目当てではなく愛の為に結婚する」などと、拝金主義が横行する中国社会を嘆く声も上がる。
また梅さんの人柄や知識について、冷静に見る声もある。「たとえ高考で好成績をとれなくても梅さんはきっと知識者だったに違いない」「彼にはIQでは測れないEQ(心の知能指数)が高かった」「梅さんは能力がある人間だったんだ。負け犬は、どの国に行っても負け犬だ」