【大紀元日本1月13日】中国各地で多発するシャドーバンキングのデフォルト(債務不履行)で投資家の抗議が続くなか、湖南省で大手国有銀行の工商銀行と中国銀行が発売する高利回りの投資信託「理財商品」が巨額の債務不履行に陥った。9日、数百人の投資家が政府庁舎の前で抗議活動を行った。
被害に遭った投資家らによると、同理財商品の年利は当初6.7%と説明されたという。銀行側は「元本保証」と説明したが、昨年12月29日の満期日に「元本と利子ともに支払い不能」と通告した。発行元の「湖南省博澧資産管理有限公司」(以下・博澧)の社長はそのときすでに行方が分からなくなり、集まったお金を着服して逃走したとみられる。購入者1000人の被害総額は2億元(約38億円)に上るという。
同省の信託会社のアナリストは、「博澧は信託商品を発行する資格がないにも関わらず、二大銀行はその信託商品を仲介、発売した」と銀行2行に責任があると指摘した。
投資家たちは詐欺の被害として警察に届出をしたが、受理されなかった。銀行側は大紀元の取材に対し、「解決の見通しがまだ立っていない」と回答した。9日に行われた抗議活動で投資家2人が連行された。
数百兆円規模で中国経済に強く影響すると中国のシャドーバンキングは昨年から各地で大規模な連鎖倒産が続いている。米政府系放送局ラジオ・フリー・アジア(RFA)によると、西安市で最近約60社が経営破たんした。
債務不履行が広範囲で発生すれば、社会不安を引き起こし、中国経済を崩壊に導くとの懸念がいっそう高まった。
(翻訳編集・叶子)