【大紀元日本1月19日】中国公安当局は、病死した豚や腐敗した肉を安く買い上げ不正に流通販売した疑いで、食肉加工工場、養豚保険業者、国の検疫機関を摘発した。病死した家畜肉をめぐる大規模な組織犯罪の摘発は異例で、逮捕者は110人以上に及ぶ。
治安当局は11日、30以上の工場と検疫機関や養豚保険企業社員が係わる11の犯罪グループを摘発。1000トン以上の病死家畜肉と48トンの食用油など合わせて約1億元(約19億円)を売り上げていた。
腐敗した豚肉を使用した加工食品は約3年間で、湖南省や河南省、広西チワン族自治区など11省の市場に流通した。
逮捕された検疫官や保険会社の社員は、病死家畜肉の流通をほう助した疑いが持たれている。検疫官は安く買われた病死家畜肉の「安全性」を示すニセの合格証書を発行し、リベートを受け取っていた。
中国では飼育する豚が病死した場合、保険金を受け取れるサービスに養豚業者が加入している場合が多い。犯罪グループは家畜保険会社から不正に病死肉の情報を受け取り、安価に売り捌いていた。
ある肉加工業者は2011年から安価な肉の購入を始め、これまでに約2000頭の病気の豚を購入したと話している。病死家畜肉は見た目に問題なければ、新鮮な肉として出荷されるが、腐敗が進んだ肉はベーコン、ソーセージ、ひき肉に加工されるという。
余った部位や皮は食用油として加工されていた。国営メディアは、隠して撮影した違法な食肉加工工場の映像を流した。そこには豚脂を作るための不潔な大きな釜が映し出されていた。
中国では2011年以降、病死した家畜の肉を安価に販売する事件が多発し、食の安全を脅かす社会問題となっている。これまでに4600件が摘発されている。
(翻訳編集・佐渡 道世)