【大紀元日本1月28日】習近平政権がまい進させる反腐敗キャンペーンにより、中国政府高官にとって「贅沢」が禁句になりつつある。主たる顧客が寄り付かなくなったため、豪華絢爛を売りにした高級ホテルでは閑古鳥が鳴いている。ホテル側は「星を取り下げ」て、自ら格下げするなどの対策を講じている。
英字の中国ニュースサイト、南方インサイダーが28日に伝えたところによると、中国ホテル業界の失墜は突然で、著しい。2012年にはホテル産業は約50億元(当時為替レートで約600億円)の利益を上げていた。しかし、翌2013年には21億元の損失を記録し、1年で71億元ものマイナスを生み出した。
要因は、反腐敗キャンペーンが「反贅沢」と関連付けられ、最大の顧客だった政治官僚が来なくなったことだと見られている。
中国旅行ホテル業協会代表の張潤強氏は「この2年間で最大の損失は、高級ホテルを政府高官が利用しなくなったことにある。業界の利益は崖からすべり落ちるように下がった」と述べた。
一方で、国家観光旅行局部次長の呉文学氏は、高級ホテル業が単に急速に拡大し過ぎたためだとも指摘し、港湾都市として商工業の開発が進む浙江省寧波市の例を取り上げた。同市では、10年前までは高級ホテルは2棟のみだったが、現在は22棟、さらに30棟の建設が進められている。
ホテルは破産に追い込まれている。「反贅沢」対策として「星の取り下げ」を始めた。昨年、中国全土で50棟の五つ星ホテルが四つ星ホテルに格下げした。以前は接待利用が中心だったが、現在は結婚式に力を入れている。
河北省のある三つ星ホテルのマネージャは、業界の危機に多様な策を講じる必要があると話す。その1つとして、大幅な値下げを実行した。「2012年初期、夕食の料金は589元(約1万1000円)だったのが、現在は239元(約5500円)にまで落とした」と述べた。