【大紀元日本3月20日】米国検察は現地時間18日、出入国詐欺と資金洗浄の疑いで、米国へ逃走した中国高官の元妻を逮捕した。同じ罪でこの高官も捜査している。
米国司法当局によると、中国地方都市の政府穀物貯蔵施設の元責任者・喬建軍(Jianjun Qiao)と元妻の趙世蘭(Shilan Zhao)は着服した公金約5000万ドル(約60億3000万円)を米国に送金し、不正に外国人投資家ビザを取得したという。
告訴状によると、夫妻は巨大な穀物倉庫の運営利益の一部である50万ドル(約6000万円)を使い、シアトル郊外ニューキャッスルで住宅を購入したという。
事情を知る弁護士ロナルド・チョン氏はロイター通信の取材に対して、喬はビザ取得と資金洗浄のために離婚の事実を隠したのではないかとの見方を示した。
米国検察当局は、米国と中国の犯人引き渡し条約は成立していないが、出入国詐欺で有罪判決を受ければ、趙に対して強制退去を命じることが可能だと述べた。
中国外務省は、この夫妻の事例は、米中が共同で汚職捜査に動く重要なケースの1つであると述べている。さらに、「不正捜査に、世界のどこにも安全圏はない」と中国国内メディアの取材に答えた。
中国政府は、国外逃走した政府の汚職高官や不正を働いた民間人の捜査に乗り出した。共産党の汚職取締機関である中央規律検査委員会は1月7日、昨年、海外から500人あまりを摘発、不法資産30億元(約580億円)以上を没収したと発表した。
(翻訳編集・佐渡 道世)