【大紀元日本3月31日】中国株式市場はこのほど強気相場が続いており、専門家はバブルの兆しがあると警戒し、投資家に対してリスク回避のため利益確定を勧めている。3月27日付米金融情報サイトのマーケットウォッチが報じた。
中国上海と深セン両株式市場の総出来高は3月25日に、1兆2400億元(約23兆5600億円)に達し、7日連続で1日当たりの平均出来高が1兆元(約19兆円)を上回ることとなった。これに対して、1~2月までの米ニューヨーク株式市場1日当たりの平均出来高は400~500億米ドル(約4兆8000億円~6兆円)にすぎない。30日主要指標の上海総合指数の終値は、前営業日比で2.59%上昇の3786.57ポイントで、7年ぶりの最高値となった。今年に入ってから、1月19日下げ幅7%と大きな下落があったものの、上海総合は累計で13.8%上昇した。
米金融大手のバンク・オブ・アメリカ・メリルリンチが発表した最新報告書において、中国国内経済問題(特に日増しに深刻化するデフレ問題)を考慮すれば、現在中国株を買う時期ではないと指摘し、リスク回避のため利益確定をしたほうがいいとした。昨年8月以降同社が中国株への投資判断を「オーバーウェイト」と維持してきたが、現在「イコールウェイト」に引き下げた。
また報告書では、「中国実質金利は依然として高く人民元も過大評価されており、財政政策が緊縮的で、同時に債務問題およびデフレ問題がだんだん鮮明になっている」と指摘した。
中国国内報道によると、株式市場への楽観的な心理から新規取引口座を開設した人が急増した。株式の登録と決済業務を行う政府機関である中国証券登記結算有限責任公司の統計によると、中国16~20日の一週間だけで全国では約114万件の新規口座が増えた。中には親から投資資金を得た在校中の大学生も含まれているという。
一方、国営メディアの人民日報は30日に2度も評論記事を掲載して株式市場の強気相場を肯定し、国内経済景気が低迷する中、株式市場での活気が社会全体に経済発展の信念を強め、「(強気相場は)経済全体には無視できない利益がある」と評論した。中国政府が強気相場を称賛している以上、中国株式市場の上昇はまだ続くだろう。