【大紀元日本5月20日】香港政論誌「動向」最新号は中国最高指導部に近い関係筋の情報として、取り調べ中の中国共産党中央統一戦線部前トップの令計画氏に、左遷直前に大量の機密文書や業務日誌を処分した疑いが浮上した、と報じた。
長年、党指導部の事務機構、「党の中枢神経」といわれる中央書記処と中央弁公庁のトップを務めた令氏は最高レベルの機密情報によく接する人物である。同報道によると、内部クリーニングに出された令氏の衣類に、処分の際に使った化学薬品が付着していたなどのことで、容疑が発覚した。時期は、閑職である中央統一戦線部のトップに左遷される直前で、動機はまだ不明だという。
昨年12月22日、中国政府系メディアは「重大な規律違反があった」として令氏の失脚を報道した。海外の中国語メディアはその後、北京の情報筋の話として、令氏は2700通以上の政治、軍事、経済、文化に関する機密文書を無断で持ち出し、一部は米国政府に渡したとみられると報じた。
フランスのRFIラジオは、最高指導部が懸念しているのは、令計画サイドが指導部内部のスキャンダルの証拠や極秘政治情報を外部に漏えいすること、と報じた。
失脚発表から半年近くがたった今でも、中国政府の公式発表はないが、その人脈ネットワークの切り崩しは続いているようだ。中央弁公庁の主要幹部6人が異動、取り調べなどを受けているほか、指導部要人の身辺警護を担当するその下部機構「中央警衛局」の局長と副局長の更迭も最近明らかになった。
また、同最新号によると、調査中の令氏は記憶障害などの精神異常の症状をみせており、3回ほど軍部病院の精神病棟に入院している。「調査を逃れるため装っている可能性が高い」、その妻は2度自殺未遂を起こしたという。
胡錦濤氏の元側近とされた同氏は江沢民派に転向したという見方が根強い。中国ニュースサイト「財新網」は度々、令氏は、江沢民派重鎮の周永康被告(国家機密漏洩の罪などで起訴)、薄熙来(元重慶市トップ、無期懲役刑を服役中)らと「秘密の同盟関係」を結んでいたと報じている。