【大紀元日本6月11日】最大級の記事数をもつオンライン百科事典ウィキペディアの中国語版は検閲対象となり、閲覧できなくなっている。同サイトは中国当局が定める「敏感」事項が記事になっていたため、これまでもしばしばアクセス不可能な状態になっていた。習政権のメディア検閲強化の一環と見られている。
中国本土のネットの自由と検閲を監視する海外運営サイトGreatFire.orgによると、国内のネットユーザは5月19点xun_ネ来、中国官製ファイアーウォール「金盾」の検閲対象となり、アクセス不可能になったという。
同サイトを運営する非営利組織ウィキメディア財団は、中国の検閲に強く反対する姿勢を示している。同広報担当者は米雑誌フォーブスのインタビューに対し「中国の人々が再びこの知識の集合体にアクセスできるよう、政府が再考することを期待する」と述べた。
検閲対象となった理由について、中国政府は公式に説明していない。しかし、習近平国家主席は5月18日から20日まで北京で開かれた中央統一戦線工作会議の演説中、「ネット空間の浄化」と銘打った、インターネットやスマートフォンアプリなどメディア担当者へ取り締まりを強化するよう、共産党幹部に指示している。
ウィキペディア中国語版のみならず、マイクロブログ新浪微博やQQ、検索エンジン百度など、中国国内インターネットではかねてから六四天安門事件や、迫害対象の気功法・法輪功に関するキーワードなどの対象記事は閲覧できない。
共産党は一党独裁体制を維持するため、広く世論に影響するネットメディアやアプリ「微信」などソーシャルサービスを強く警戒していると見られている。
(翻訳編集・佐渡 道世)