【大紀元日本6月30日】台湾の新北市にあるテーマーパーク「八仙楽園」で1人が死亡、約500人が重軽傷を負った火災事故から3日が経過した。治療を受けた負傷者に対して、台湾政府は27日から30日までの保険医療費を全額建て替えるとしたほか、法務部(日本の法務省に相当)関係者は被害者保護支部を設立し、補償金の申請受付を整えることを明らかにした。また、今回の被害者は若者が中心となっていることから、長いリハビリへの心の負担と圧力を軽減させるために、「張先生1980ホットライン」の活用を明らかにした。
新北市の朱立倫市長は29日、負傷者の治療、リハビリのために、「愛心特別窓口」を設け、透明化した流れを毎日公開した上で各界からの寄付を受付けると公表した。実際、台湾国内企業による寄付が相次いており、鴻海(ホンハイ)グループを始め、金融・IT・自動車・デパート等各業界による寄付が、すでに数億円に昇っている。医薬品、人工再生皮膚、医療器具など物品の寄付も新北市衛生局に多く到着している。一方、大量の患者に輸血する血液が不足していることを、ネットによる呼びかけで多くの市民が知り、献血センターは一時献血者で溢れる状態になった。
また、台湾大学付属病院の竹東支部・王明鉅院長はFacebookで医療・整形美容外科など全ての病院・クリニックに対して救護に参加し、軽度患者に無料の問診、投薬及びアフターケアを提供するよう呼びかけた。台湾美容整形外科医学会は、今回の可燃性粉末爆発による火傷は殆どが2度以上のもので、一般の火傷の手当てとは全く異なることを指摘し、患者は自ら薬を塗布するなどをしないように注意を促した。
被害者の多くである青少年への心のケアを重点的に行う「張先生1980ホットライン」は政府系団体で、主に野外生活、団体生活、体を鍛え、自然の中で学ぶなど各種活動を通じて、青少年たちが自然や物の大切さを知り、人と人との繋がりやコミュニケーションを円滑に行える育成プログラムを持っている。今回は青少年の被害者だけではなく、家族に対してもケアを行うことになっている。
今回の火災事故は27日夜、同テーマーパークでカラー粉末を参加者に吹き付けるイベントを行っている最中に発生した。なお、火災の原因はまだ不明だが、同テーマーパークの経営者・陳慧穎氏(チェン・フェイ・イン)はメディアに対し、沢山の人がイベントで怪我をしたことに対して「非常に胸が痛い」と話した。陳氏は、1億元(3.9億円)の信託基金を設立し、負傷者たちのリハビリに役に立ちたいと涙ながら謝罪した。