【大紀元日本7月14日】元最高指導者・江沢民氏(89)を大量虐殺罪で刑事告訴するための訴状が、中国国内外で相次ぎ中国司法当局に送られており、社会現象となっている。この動きを加勢するため、中国の元有名弁護士・郭国汀氏(57)も中国最高検察局に訴状を送っていたことが、大紀元カナダ支社の取材で明らかになった。
法輪功迫害を伝える「明慧ネット(http://jp.minghui.org/)」によると、今年5月から7月9日までに、6万人が中国最高検察庁や裁判所などの司法当局に対して、江沢民が法輪功を弾圧し、大量虐殺したとして告訴状を提出した。
郭氏はかつて中国国内で名を知られた弁護士であり、上海で法律事務所を共同経営していた。人権弾圧被害者の弁護を引き受けたことで迫害され、カナダに渡った。
郭氏は1984年大学在学中、共産党のイデオロギーマルクス・レーニン主義、毛沢東思想を批判した。精神病院に強制入院され、薬物注射の「治療」を受けたという。2003年から、ジャーナリストの師濤氏(国家機密漏えい罪で10年禁固刑)や人権派弁護士・鄭恩寵氏(同罪で3年間禁固刑)、中国内で禁止されている伝統気功・法輪功の学習者など多くの人権弾圧被害者の代理弁護人になる。それより、社会秩序騒乱の容疑をかけられ、拘禁、財産押収、弁護士免許剥奪などの迫害を受けた。
郭氏は、当時、中国当局の圧力のため仕事が抑制され、経済的な損出額は1000万元(約2億円)に上ったと推計している。妻は圧力に耐えられず、離婚し、家族を失った。2005年5月、郭氏はカナダに移住し、現在はビクトリア大学で教鞭をとっている。
江氏を刑事告訴する理由について、自分が迫害を受けた根本的な原因は中国共産党による独裁体制そのものにあるが、元最高指導者の江氏には逃れない責任があるとした。いまだに取り上げられた訴状はないものの、「必ず実質的な進展があるだろう」と強調した。
中国の司法改革制度が5月1日から「告訴があれば必ず受理しなければならない」と改正されたのを受け、法輪功学習者やその家族、支持者が、弾圧を指揮した江氏を相次ぎ刑事告訴(告発)した。明慧ネットは、16年続く弾圧で、数十万人が強制収容され、身元が確認できただけでも約4千人が死亡したと伝えている。