中国広西チワン族自治区柳城県とその周辺で、30日午後3時ごろから午後5時半ごろにかけて、政府機関や公共施設で17カ所の連続爆発が起きた。事件から7時間後、警察当局は、33歳の男を拘束したと地元メディアは報じた。ネットでは、警察の発表を疑問視する声がつぎつぎと上がった。大紀元コメンテーター・陳思敏氏は「6つの疑問」をまとめた。
1.警察は「テロ」を否定
伝えられるところによると、一連の爆発は、60あまりもの「速達郵便」の小包のなかに仕掛けられた爆発装置から起きた。これにより7人が死亡し、2人が行方不明、51が負傷した。爆発物の送り先は、現地政府庁舎と職員寮、病院、刑務所、駅、スーパーマーケットなど、ほとんどが政府機関と公共の場所だ。しかし、警察は「テロ」の可能性をそうそうに否定した。
2.検査を通り抜けた爆発小包
公安当局と郵政管理局が出す郵送規定によると、速達郵便の小包は、実名が記され、スキャンや開梱などの検査が行われる。にもかかわらず「小包爆弾」は複数の場所に送られた。
3.ビル半壊の威力を持つ爆発物
ミニブログ・微博が伝える現場写真を見ると、爆発物の威力は、5階建てのビルが半壊するほどだ。これほど破壊力がある爆発物を、個人が用意できるだろうか。
この連続爆破事件について、台湾メディアは、台湾刑事局の爆薬物に関する特別部隊の隊員の話を伝えている。大破したビルなどの映像を分析した隊員は、このたび使用された爆薬は、軍用プラスチック爆薬の1つ、「C4」を推測。一般市民には手に入りにくいものだという。
4.犯人のでっちあげ説
警察は、事件発生からわずか7時間後、「33歳の男」を逮捕したと発表した。ネットでは、犯人のでっちあげ説もあがっている。「60もの爆弾を用意し、17カ所で連続爆破させるなんて、個人ができるはずがない」「計画的で組織的な犯行だ、個人の恨みではできない」
5.敏感な時期
事件は、建国記念日にあたる「国慶節」の7連休が始まる前日に起きた。また、習近平主席は同日、米国訪問から帰国後はじめて北京で姿を見せた。
6.軽すぎる安全管理
柳州市当局は、届いた小包を開けないよう呼びかけている。しかし、もしビルが半壊するほどの爆薬が炸裂する規模の事件なら、地方政府の安全管理の枠を超えており、すぐに中央政府・国家安全委員会が動くべきではないだろうか。対応が軽すぎることに疑問が重なる。
中国国内メディアによると、10月1日午前8時、柳城県で再び爆発が起き、6階建ての建物の一部が壊れ、残がいが飛散した。現在、連続爆破事件に関する報道は、当局により情報統制されたもよう。社会不安を抑制しようとする当局の思惑が、かいま見える。
(翻訳編集・佐渡 道世)