中国共産党の第18期第5回中央委員会全体会議(5中全会)は10月中旬に行なわれ、会期は3日と予想されている。香港メディアの評論文章によれば、既定の議事日程以外、最も関心を引くのは中央指導層の人事異動、つまり政治局、書記処、軍事委員会委員の調整に関することである。
9月29日、習近平国家主席はアメリカ訪問を終えて北京に帰国した。香港メディア「明報」は北京の情報筋を引用し、中国共産党中央政治局は近いうちに会議を開き、5中全会の具体的会期を確定し、10月中旬になると伝えた。その後、習近平夫妻は10月22日~23日にイギリスを初めて正式訪問するという。
今年7月20日、中国共産党中央政治局は会議を開き、10月に開く5中全会の主要な議事は政治局による中央委員会への報告、そして「国民経済と社会発展の第13次5カ年計画を制定するための提案を研究すること」だと決定した。
10月2日、香港メディア「東網」の評論によると、第13次5カ年計画以外に、5中全会は失脚した一部の高官を中央委員会から除名すること。その中には、令計画・前政治協商会議副主席、周本順・前河北省トップ、楊棟梁・前国家安全生産監督管理総局長の3人の中央委員、および8人の中央候補委員が含まれる。
報道では、この二項目がすでに議事日程に入った以外、5中全会の最も注目される見所は実は中央指導層の人事異動、つまり政治局、書記処、軍事委員会委員の調整である。それ以外に、他の上層人事調整の可能性もあり得る。たとえば、天津爆発事件の後に懸案となっている天津市委員会書記の候補者のリストアップ、数人の年配或は使いにくい高官の処遇など。
先日、香港メディアは中国共産党軍側の消息筋を引用し、軍隊の七大軍区は恐らく東南西北中の五大作戦区に変わり、軍総参謀部、軍総政治部、軍総装備部と総後勤部の四大部は恐らく存在しなくなる。中央軍事委員会の権力は強められ、恐らく下に三つの委員会と六つの部を設け、軍事委員会委員も今の10人から15人まで増加すると伝えた。
時事評論家の周暁輝氏によると、5中全会で討論されるのは明らかに単に経済の問題ではなく、一部の人事調整、甚だしきに至っては人事上の大変動に関わるもの。令計画氏の中央委員資格取り消しはこの会議でやるはずである。最近外部で噂になっている「能上能下(昇格も降格もある)」リストが本当であれば、政治局常務委員の張高麗氏や上海市トップの韓正氏、北京市トップの郭金龍氏の人事異動が公に確認される可能性が高く、甚だしきに至っては数人の政治局委員あるいは中央委員を補充することもあり得る。これがおそらくこの会議の最大のハイライトであろう。
最近の海外メデイアによると、習近平総書記の「能上能下」の極秘リストの中に、「能下(降格)」の上層幹部がずらりといるという。その中の数人が政治局委員、1人が現職の政治局常務委員。その現職の政治局常務委員は江派副総理の張高麗だという説がある。また、韓正氏と郭金龍氏の中央機関への人事異動も伝えられた。
以前のある評論によると、現在中国共産党の党内最上層の権力の抗戦は「文化大革命」の前を上回り、5中全会は激しい政治的駆け引きの場となるだろう。王立軍事件から、中国共産党の上層部は公然と分裂し、争いはますますエスカレートしている。
(翻訳編集・金本)