米国防省は26日、24時間以内に、中国が南シナ海で埋め立てた人工島の12カイリ(約22キロ)海域内にミサイル駆逐艦などを派遣し航行する、と発表した。
ロイター通信によると、派遣されるのは米海軍横須賀基地に配備されているミサイル駆逐艦「ラッセン」と偵察機P-8A。米国防省報道官は「航行は一回限りではなく、今後も定期的に行う」としたうえで、中国に対するものではないと述べた。
今回の航行海域となる南シナ海の南沙(スプラトリー)諸島について、中国のほか、フィリピンやベトナムも一部の領有権を主張している。こうした中、中国は昨年から岩礁の埋め立て工事をはじめ、複数の大型滑走路や港湾、建築物の建設を進めてきた。フィリピンとベトナムを含め、周辺諸国の間で懸念が強まっている。
ここ最近、複数の米政府関係者は同航行計画を示唆してきたが、実施の時期は未定だった。中国政府の領有権主張を認めない姿勢を行動で示す狙いだ。中国外交部の華春瑩・報道官はこのほど、「いかなる国であっても、航行や飛行の自由を口実に別の国家の主権と安全を妨害することを、中国は断固として反対する」と述べるなど、米政府をけん制した。
中国政府の反発は想定内で、今後の展開が注目されている。
(翻訳編集・叶子)