11月27日、中国株式市場主要株価指数上海総合は前営業日比5.48%安の3436.3ポイントで取引を終えた。8月25日の下落率7.6%以来、3カ月ぶりに大きな下げ幅を記録した。
国内金融情報サイト「和訊網」によると、27日の上海株式市場は、取引を始めた直後に売り注文が集中したため、上海総合が下落し始めた。取引時間中、上海総合が数回にわたって3600ポイント大台を割り込み、一時下げ幅が6%となった。
いっぽう、深セン株式市場では主要株価指数深セン総合と創業板(チャイネクスト)は前営業日比でそれぞれ6.31%安の11961.7ポイントと、6.48%安の2649.55ポイントで終値を付けた。27日当日、上海と深セン両株式市場では約31の銘柄がストップ高となり、また約300の銘柄がストップ安となった。
上海総合と深セン総合が急落した主な原因の一つは、7月から禁止された新規株式公開(IPO)が12月に再開するとの見通しから、市場の資金不足におちいるとの懸念が高まったことだ。またテクニカル的に、株価が調整基調に入ったことも挙げられる。
証券大手への調査 大幅下落の引き金に
しかし、株価の大幅下落に最も影響を与えたのは、6月以降中国株価暴落後に、政府当局が救済策で活躍した「国家隊」と呼ばれる政府系資金の背景を持つ証券会社のうち、中信証券や国信証券など証券会社大手3社が26日と27日に相次いで当局から規則違反の疑いで調査を受けていることだ。
26日夜、中国証券会社最大手の中信証券が、同社が中国証券監督管理委員会(証監会)から『調査通知書』を受け取り、証監会は同社が『証券会社監督管理条例』の関連規則に違反する疑いで調査すると公示した。報道によると、同社は全面的に協力し、関連する規定にしたがって情報開示義務を履行するとコメントをした。
一方、証券大手の国信証券も同日夜、同社も『証券会社監督管理条例』の関連規則に違反する疑いで証監会から『調査通知書』を受け取ったと発表した。両社とも規則違反の詳細を明らかにしなかった。
27日午前、上海証券取引所での取引開始直後に、海通証券の銘柄が売買停止となった。原因は26日証監会から『調査通知者』を受け取ったにもかかわらず、上海証券取引所に報告しなかったためだ。同社は当日午後になって公示した。
習近平指導部、反腐敗キャンペーンの次なる目標は金融業界
中信証券など3社のほかに広発証券、華泰証券と方正証券は、8月に証監会から調査書を受け取った。21社で構成された国家隊にはすでに6社が当局から調査を受けている。また中信証券の程博明・総経理など12人の幹部がインサイダー取引や取引情報漏えいの疑いで公安当局に調査を受けた。うち4人が身柄拘束されている。
一部の海外メディアによると、習近平指導部は、6月の株価暴落と金融界の関係者によるインサイダー行為を「経済クーデター」と定義したという。習指導部は反腐敗キャンペーンの次の目標を金融業界に定め、今まで少なくとも20人の証監会幹部の身柄を拘束し、100人以上の証券会社幹部は海外への出国を禁止し調査を行っているという。
報道によると、反腐敗キャンペーンを主導する共産党中央規律検査委員会は、10月にすでに中国人民銀行(中央銀行)、証監会、中国工商銀行、中信集団など金融界31の機関を、不正取引行為や汚職の疑いで調査の対象として挙げた。
(翻訳編集・張哲)