衛星放送の新唐人テレビは1月はじめ、中国民主化を支持する2人の欧州の政治家にインタビューを行った。2人は、習近平・中国国家主席が共産党を解体し、専制政治を放棄することで、中国の真の改革になるとの見方を述べた。
英国の欧州議会議員「誰も共産党を信じていない」
英国選出の欧州議会議員ジェラルド・バッテン氏は「習近平氏は民主化へ歩み出しているが、そのためには共産党政権を捨てなければならない」と指摘した。「共産主義は凶悪な思想であり、民主主義とは正反対だ。たとえ習近平氏が汚職の撲滅に成功したとしても、不正が本質である共産党が存在する限り、中国に民主化は来ないだろう」「もはや誰も共産党を信じていない」と述べた。
バッテン氏は、習氏の選択に期待している。「今の共産党は腐りきっている。中国社会は歴史的な大変革が起ころうとしている。この千載一遇のチャンスを逃さず、習氏またはその後継者が共産党を解体させ、中国を民主主義へ導き、歴史に名を残す政治家となることを願っている」。
2億人以上の中国人が共産党組織から脱退している事について、バッテン氏は「非常に立派であり尊敬に値する」と述べた。「嘘と暴力の満ちた共産党による恐怖政治にノーというのは勇気いるが、皆で立ち向かえば怖くはない」と中国人を激励した。
ロンドン出身のバッテン氏は英国独立党員で同党元幹事長。2004年に英国の欧州議会議員に選出され、現在は市民的自由・司法・内務委員会委員。
EU経済社会評議会前議長「習近平はゴルバチョフになる可能性がある」
欧州連合(EU)の経済社会評議会前議長アンリ・マロッセ氏は、習近氏について、ソ連の解体を選び1990年にノーベル平和賞を受賞したゴルバチョフ・ソ連共産党書記長や、その後継者であるエリツィン大統領のようになれるよう期待している。
マロッセ氏はかつて、欧州が一体化するよう尽力した。彼は東欧の共産党政権を熟知しており、ゴルバチョフ大統領がどのようにして共産党政権を崩壊させたか語った。
「当時のソ連と今の中国の状況は非常に似ている。ゴルバチョフ大統領は『改革』と『透明化』の二言を軸に民主化を成し遂げた。『透明化』が実行されると、メディアや新聞は一気に解禁され、国民は言論の自由を手に入れた。すると、嘘と偽りに満ちた共産党体制はすぐに崩壊した」。
中国共産党の独裁体制がもたらした政治腐敗、不正のまん延、司法の非正義などは、世界に対して、中国の大きな負のイメージを与えてきた。そのため、多くの人は中国と中国共産党を混同しがちだ。しかし、中国は5000年の歴史と文化をもつ国であり、共産主義は旧ソ連から「輸入」された思想で、「中国イコール中国共産党」の図式は、成り立たない。
フランスのモンペリエ出身マロッセ氏は、2013年4月から2015年10月まで、欧州連合の経済社会評議会議長を務めた。東欧文化に詳しい。母国語フランス語のほか英語、ドイツ語、ポーランド語、ロシア語が話せる。
マロッセ氏はかねてから中国の民主化を支持を表明していた。2014年3月、習近平氏がベルサイユを訪れた際、中国共産党の人権迫害に対する抗議活動に参加した。
(翻訳編集・山本アキ)