日本銀行は1月29日の金融政策会合で、民間金融機関から預かっている当座預金の一部に付ける金利をマイナス0.1%に引き下げることを賛成多数で決定した。2月16日から実施する。
この決定を受け、市場関係者の間で今後日銀に続き中国人民銀行(中央銀行)も近々新たな金融緩和政策を実施し、人民元が一段と下落するではないかとの観測が急速に広がり、人民元のオフショア市場での対ドル為替レートは前日比で一時0.26%下落し、3週間ぶりの低水準となった。
中国当局は人民元の下落による資本の急速な流出を防ぐ目的で、為替市場でドル売り元買いの介入を行い、個人の両替や企業資金の海外送金を制限し、銀行の一部海外取引を停止するなどの資本規制を強化した。業界関係者は日銀のマイナス金利実施で中国人民銀行は今後一段と資本規制を強化するとみている。
世界最大の外国為替証拠金取引(FX)投資情報サイト「デイリーFX」(Daily FX、30日付)は日銀のマイナス金利の影響で中国の輸出が減少するとの見解を示した。日銀のマイナス金利決定の発表を受けてオフショア市場で、人民元が対日本円で1元=17.9327円から18.3130円と元高円安になった。また韓国ウォンを含む一部の通貨に対しても上昇傾向に転じた。この結果中国製品の輸出コストが上昇し、今後需要が縮小しかねない。特に日本向け輸出製品の多くが需要価格弾力性の高い電子設備、電子機器とアパレルなどの労働集約型製品で、輸出価格が上昇すればこれらの製品への需要が減少する傾向になる。また長期的に中国製品への需要が減少することで一段の元安を招く。
(翻訳編集・張哲)