中国で23年間服役した末、冤罪が確定し釈放された男性が、関係者の法的責任追及と国家賠償を求めている。中国メディア「法制晩報」などが報じた。
23年前、男性は海南省で起きた殺人放火事件で故意殺人罪、放火罪が確定し、海南省高等法院(地方裁判所)から執行猶予付きの死刑判決を言い渡された。
長年、無罪を主張して上訴をし続けた男性だが、昨年4月に転機が訪れ、最高法院(最高裁)は浙江省高等法院に本案の再審を命じた。同裁判所は今月1日、自供書の主要な内容、例えば、犯行の時間と一部始終、使用した凶器、証拠隠滅の方法などに矛盾する点が多くあり、また現場の捜査記録、法医の報告書、証人の証言などにも不一致が有るとして、「事実関係が不明確、証拠が不十分」と判断し、男性に無罪の判決を下した。
法制晩報の取材に対し、釈放された男性は当初の取り調べで、長時間の睡眠はく奪、食事の禁止、極寒の中でシャツ一枚にされて鉄の棒で体中を激しく殴られるなど、凄まじい拷問を受けたことを証言、「警察が作成した自供書に署名せざるを得なかった」と話した。拷問の証拠として、男性は体中に残る傷跡を記者に見せた。
男性は、自供した後にその自供を覆すなどを何度も繰り返し、海南省高等法院はその自供書を死刑判決の主要な根拠として採用していた。
(翻訳編集・叶子)