「年に一度の大移動」となる中国旧正月(今年は2月8日)の帰省ラッシュが今年もやってきた。今月2日、帰省客でごった返す広州駅で、悪天候の上に設備故障のため鉄道のダイヤが大幅に乱れて、10万人以上の帰省客が足止めされていた。
悪天候の影響で広州駅は、1月29日より列車の遅れが相次ぎ、約30本の列車で遅れが発生した。今月1日午後には、広州駅に集まった帰省客は一時10万人を超え、政府は約4000人の警官と警備員を動員し、駅周辺の交通規制など緊急措置を実施した。
2日になっても、まだ29本の列車で遅れが生じ、依然として多くの帰省客が足止めされている。警察からの通告では、地下鉄は広州駅で停車せず通過のみ、地下鉄広州駅のすべての出口も閉鎖された。
「駅周辺は人の海」チケット購入も列車にたどりつけない
雲南省へ帰郷する張さんは1日夜9時20分、深圳発の列車に乗車し、広州駅で乗り換えた。出発の3時間前に駅に着いたが、駅の周辺は既に人の海と化しており、荷物が少なくてもホームまでたどり着くのに2、3時間かかったという。
張さんは幸い、列車は30分遅れたため列車に乗り込むことができたが、チケットを購入したのに、人が多すぎで駅に入れないため、列車に間に合わなかった帰省客も大勢いたという。張さんは寝台車の切符を買ったが、近くの3つのベッドの乗客は結局列車に間に合わなかった。
「広州駅付近はかなり混雑していた。警備員はほとんど何の役にも立っていない。列車に間に合わなかった乗客は切符を返金できないから、多くの乗客はもう1枚切符を買うか、他の交通手段を使うしかない」と張さんは話した。
上海などでも列車が遅延 数万人が足止め
上海、深圳、杭州など他の大都市でも、悪天候の影響で列車が大幅に遅れていた。1日午後、上海虹橋駅では列車の遅れによって3万人が足止めされた。杭州東駅では、29本の列車に最長4時間の遅れが生じた。
1日の深圳東駅では、岳陽行きの列車に16時間の遅れが生じ、2日にも8時間半の遅れが生じた。
中国では毎年旧正月前後になると、「人類最大規模の大移動」として旧正月帰省ラッシュが多くの海外メディアに取り上げられる。しかし、大挙する帰省客で混乱が生じ、鉄道ダイヤは乱れ、数万人が足止めを食らう。帰省したい気持ちの一方、混雑や困難を恐れて、故郷に帰るのを諦める人も多くいる。
(翻訳編集・山本アキ)