中国湖北省武漢市のある男子学生が、民主主義者であることを明かしたため、中国共産党により精神病院へ強制入院させられていたことがわかった。新唐人テレビなどが3月28日までに伝えた。
同局の取材に答えた武漢の男子大学生・労業レイさん(仮名)は、中国SNS「QQ」で民主主義を宣伝し、プロフィール画像にも、台湾の使用する中華民国の国旗を使用していた。
労さんによると、参加しているQQの大学内友人グループのなかで、同級生が国旗の質問をしたため「私は中華民国を信じている。復活して中国を統一すれば民主化する。毛沢東は虐殺者だ」と答えたという。
労さんは、誰かがこのやりとりを大学へ通報したと考えている。また、QQグループ内の同級生に、ネット世論を検閲して異見者を中国共産党に通報し、報酬を得るアルバイト「五毛党」がいたことを疑っている。
学校関係者は労さんを「人格の欠陥と過激思想」を理由に精神病院へ強制的に入院させた。そのあいだに法的な措置もなく、警察も関わっていない。「中国大陸はこのような(不合理な)話が多すぎる」と労さんは訴える。労さんは数日で退院した。
同局の取材に答えた北京の政治憲法学者・陳永苗氏によると、中国共産党による異見者の抑圧の一つで、同様の事例は80年代に現れたという。「共産党は多くの民主活動家を精神病院に閉じ込めてきた。『精神病』のレッテル貼りで、他人との接触を遠ざける」と陳氏は答えた。
この事例が報道されるのはまれだが、政府系メディアは2007年に詳細をぼかして報じている。それによると、広州のある地区では毎年、大学生100人が「さまざまな原因」により精神病院に送られているという。
(翻訳編集・佐渡道世)