中国人民銀行(中央銀行)が3月31日発表した1~3月期都市部住民調査によると、現在の国内の物価水準に対して、半数以上の回答者が物価が高すぎるとの見方を示したという。
同調査は中国50の都市に住む2万人の銀行預金者を対象としたもので、調査内容は物価、収入、就職、投資および住宅価格の五つの項目が含まれる。同調査によると、52.7%の回答者が物価について、「高くて受け入れられない」と答えた。24.8%の回答者は4~6月期の物価について「上昇する」と予測。現在の物価に満足していると答えた住民は全体の25.2%で、昨年10~12月期と比べて1.1ポイント低下した。
昨年10月以降、消費者物価指数(CPI)は5カ月連続で上昇した。2月のCPIは前年比で2.3%増と、2014年7月以来の高水準となった。中でも毎日の食事に欠かせない野菜と豚肉の価格が急上昇している。昨年10月20日、今年3月21日のトマト、ネギ、白菜、冬瓜と豚ヒレ肉のそれぞれの販売価格を比較すると、約40%上昇している。
国内の多くの証券会社は、2016年通年のCPI水準が上昇傾向にあると予測。証券大手の中信証券は3月のCPIがさらに上昇し、伸び率が2.5%となると予想した。また、国家発展改革委員会も4月5日に16年のCPI水準がやや上昇するとの見通しを示した。
また同調査では、50.7%の回答者が住宅価格について同様に「高くて受け入れられない」と回答した。今後の住宅価格見通しについて、52.1%が「大きな変化はないだろう」と示した。
野菜や住宅価格の急上昇に対して経済成長の鈍化が続く中、多くのエコノミストが今後、中国経済はスタグフレーション(景気不況と物価の持続的上昇が併存する状況を指す)になるとの懸念を強めている。
(翻訳編集・張哲)