中国A株式市場に上場している企業のうち265社が、負債比率が高く在庫が増え続け、金融市場の「ゾンビ企業」となっている。7日、国内「経済参考報」が報じた。
報道によると、中国金融情報大手Wind資訊の統計指標では2012年~14年で、A株式市場に上場している1676社企業のうち265社の1株あたりの収益(EPS)が、3年連続マイナスとなっている。また統計では、12~14年、この265社の合計赤字額がそれぞれ約454億元(約7582億円)、221億元(約3691億円)、420億元(約7014億円)となった。2015年7~9月期末では、この265社上場企業の総資産負債率は68.65%に達しているという。また15年1~6月末で、265社企業の在庫総額が3595元となり、14年末時点と比べ約8.2%増加した。
2012年以降、265社のうちの133社は新株の発行で新たに約3281億元(約5兆4793億円)の資金を調達しが、しかし一部の企業の業績は逆に悪化している。例えば国有大手首都鋼鉄集団では、2014年に99.65億元(約1664億円)の資金を市場から調達したが、当期純利益は6264万元(約10億4609万円)にとどまった。また同社は2015年1~9月までの赤字が約5.67億元(約95億円)となった。
政府当局からの補助金交付が「ゾンビ企業」の主な資金源となっている。「ゾンビ企業」は続けて政府から巨額の補助金を獲得できるよう、または上場資格を停止させられないように、年度末になると次年度の企業再編などの計画を練るという。
2012年以降この265社の上場企業は累計426.52億元(約7123億円)の政府補助金を獲得した。2015年1~6月期末で、265社のうちの221社はすでに計70.18億元(約1172億円)の補助金を受け取ったという。
社会科学院金融研究所金融市場研究室の尹中立・副主任は「経済参考報」に対して、A株式市場にいる「ゾンビ企業」は主に鋼鉄業、セメント業と石炭業など赤字体質の企業で、しかも在庫削減の圧力に直面しており、存続できたのは政府からの資金面での援助があったからだと示した。
中国政府は昨年から過剰生産能力削減の一環として、ゾンビ企業の改革を公約してきたが、実際は存続するように資金面などで援助を行っている。当局の改革意思は疑わしい。またこのような業績悪化している企業がまだ上場できたのは、ある意味では投資家を騙し株式市場の正常な機能を失わせているといえる。
(翻訳編集・張哲)