2016年1月、中国水利部が公表した『地下水動態月報』によると、昨年、東北の松遼平原や内陸部の江漢平原などにある約2103の井戸に対して水質観測調査を行ったところ、地下水の8割が深刻な汚染で飲めないことが判明した。
調査によると、地下水に含まれるおもな汚染物質はトリアゾールで、一部の地域では重金属や有毒有機物も検出されたという。また2103の井戸のうちの691は水質評価5段階中の第4段階「工業や農業用」で、994の井戸は「飲用できない」の第5段階だった。調査対象となった井戸の8割の水が飲めないとの結果になった。
国土資源部によると、国民の約7割は地下水を飲用水として使用している。また多くの農村住民は浅層地下水を飲用しているため、深刻な水汚染は国民の生活に影響し、健康に害を与えるに違いない。国内の報道では、環境汚染が原因で毎年、がん患者は約350万人増え、がんで250万人が死亡している。
一方、水利部の調査では中国の地下水は深刻な過剰採取問題に直面している。過剰採取で中国の主要平原地域では地下水貯蔵量が、2015年同期と比べて82.4億㎥減少した。
(翻訳編集・張哲)